
ラムゼイ・ハント症候群【質問】38歳の主人のことで相談します。 ある日、突然右耳が痛み、それとともに顔の右側半分が顔面麻痺になってしまいました。 耳鼻科でヘルペスウイルス感染によるラムゼイ・ハント症候群としんだんされました。 ステロイドの点滴による治療を行いましたが、3カ月たってもよくなりません。 時々、耳に強い痛みがあり、痛み止めも併用しています。 後遺症が残るかもしれないと言われ、不安です。 聞き慣れないラムゼイハント症候群の治療法などについて、教えてください。(大阪市 主婦)
【回答】ラムゼイ・ハント症候群は、ご本人がもともと体内にもっている水痘帯状疱疹(すいとうたいじょうほうしん)ウイルスが疲労やストレス、体調不良などを誘因として再活性化し、顔面神経領域を侵すことで起きます。 症状は顔面神経まひや外耳の痛みを伴う帯状疱疹、場合によっては難聴や耳鳴り、めまいを伴うこともあります。
初期の治療は安静にして抗ウイルス剤とステロイド剤で実施。 発症7〜10日目ごろには可能なら誘発筋電図の検査を行います。 この検査では顔面神経まひの予後判定ができ、治りが悪いと判断された場合は、少なくとも1カ月以内に顔面神経減圧術という手術をするなど早期の対応が必要です。 3カ月もたってからですと、手術の効果はあまり期待できません。 もっともラムゼイ・ハント症候群は予後が悪く、早期に手術を受けたからといって必ずしも治るとは限りません。
後遺症としての帯状疱疹後神経痛は、この方のように発症後3カ月以上たっても痛みが続く場合をいいます。 鎮痛剤などが効かない場合はペインクリニックを受診し、(神経の支配領域の痛みを取り除く)神経ブロックをしていただく方法もあります。 後遺症にはこのほか、眼瞼(がんけん)と口が一緒に動くような病的共同運動や顔面のけいれん、顔面筋の拘縮(こうしゆく)などがあり、症状を最小限にするためには顔のマッサージやストレッチなどのリハビリが必要となります。 (大阪労災病院耳鼻咽喉科部長 奥村新一)