ライフ企画2008年3月23日発行「実力医の履歴書」356頁

梶川泰 大阪労災病院耳鼻咽喉科副部長

累積手術数(個人)  喉頭・下咽頭悪性腫瘍56例 口腔・中咽頭悪性腫瘍33例 鼻副鼻腔悪性腫瘍31例 その他の頭頸部悪性腫瘍81例など(最近10年間)

年間手術数(個人) 喉頭・下咽頭悪性腫瘍11例 口腔・中咽頭悪性腫瘍9例 鼻副鼻腔悪性腫瘍5例 その他の頭頸部悪性腫瘍30例など

科の特色 フットワークが軽く、口腔外科・放射線治療科・形成外科とのチームワークが良いため、個々の疾患の状態や患者さまのニーズに合わせて集学的に効率よく治療している。特に治療後のQOLと治療効果のバランスに重点を置き、手術だけでなく定位放射線療法と化学療法との組み合わせや超選択的動注療法などにも力を入れている。

症例数・治療・成績

開院当初より当科は伝統的に耳科手術が盛んな科である。しかし、当院が南大阪の癌拠点病院の指定を受けたこともあり、04年4月に私が着任して以来頭頸部外科領域の疾患にも積極的に取り組んでいる。手術数も増加してきており頭頸部癌を専門的に取り扱う地域の病院として知名度も定着し現在に至っている★喉頭癌のうち声門癌の早期例では放射線単独、手術可能な進行例では喉頭全摘術を基本としている。声門上癌では声帯が動く場合は出来る限り喉頭温存をめざしタキサンを中心とした化学放射線療法を行っている。3年間の喉頭癌(進行癌も含む)症例では86%が現在も非担癌である★下咽頭癌の早期例でもタキサンを中心とした化学放射線療法を行っている。進行例では血管柄付き遊離皮弁を使った拡大手術などを症例に応じて行っている。3年間の下咽頭癌(進行癌も含む)症例では75%が現在も非担癌である★鼻副鼻腔や外耳道の悪性腫瘍では症例ごとに柔軟に対応している。特に進行癌の場合、定位放射線療法と化学療法(可能であれば超選択的動注療法で)行い、必要があれば(頭蓋底手術などを含めた)手術加療を積極的に行っている。また、高齢者などハイリスク例や悪性黒色腫例などでは兵庫県立粒子線医療センターと連携し重粒子線による治療を行うケースもある。症例数は少ないが3年間で現在のところほとんど再発は認めていない。

外来診療 受付=月〜金の午前9時〜11時30分。梶川=火午前(再診)・木(初診)。

セカンド・オピニオンの受け方 CTなどの画像データと診療情報提供書(紹介状)を用意し、初診の受付と同様。診療時間がかかりそうなケースは後日に予約する。

:

梶川泰

略歴 1969年大阪府岸和田市生まれ。大阪星光学院高等学校卒。93年大阪大学医学部卒。同大学耳鼻咽喉科入局。98年同大学院修了。大阪府立病院医員。03年大阪大学助手、学内講師。04年大阪労災病院医員、05年副部長。

所属学会・資格 日本耳鼻咽喉科学会(専門医)、日本頭頸部癌学会、日本頭頸部外科学会、日本気管食道科学会、日本耳科学会、医学博士。

著書・編集書 「耳鼻咽喉科ナーシングプラクティス」「医学を学ぶための生物学」(いずれも分担執筆)。

手術に際して心がけている点 (1)100点を取りに行かないこと (2)時間を気にせず着実に手順どおり行い終わってみれば予想より早いこと。

診療中に心がけていること (1)患者さまが要求していることや重視していることを短時間で感じ取る (2)こちらの意見を押し付けない (3)患者さまが乗り気でなかったり、痛がったりする処置はすぐに中止する。

名医の条件 (1)自分の能力と限界を知っている人 (2)普通の医師が嫌がることを嫌がらずに出来る人 (3)患者さまに優しい人。

趣味 スキー、ゴルフ。

特技 おいしいパン作り。

私の健康法 仕事のON/OFFをはっきりさせて遊ぶときには遊ぶ。いつでもどこでも時間があれば睡眠をとる。

もし医師でなかったら 芸能人(たぶんまったく売れない)。

大阪労災病院耳鼻咽喉科へ戻る