大阪府医師会「健康手帳」 出演 奥村新一部長  司会 浜村淳 宮西直美 (テレビ大阪)

あなどるな!いびき

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■大阪医科大学の高橋名誉教授の定義によりますと、
 いびきとは、睡眠中のみにおこる、異常な呼吸音だそうです。

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■正常の寝ている状態は口をつぶって鼻で呼吸しています。
 空気は鼻からのどの突き当たりを通って気管へ行き、戻ります。
 なんらの空気抵抗もないので音を発しません。
 いびきが生じるのは→
 軟口蓋や、俗にのどちんこと呼ばれる口蓋垂が後ろに下がって振動したり
 舌の付け根が落ち込んだりして空気抵抗が高まったりするからなのです。

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■全身的要因について
 深酒・疲労
   筋肉がゆるんで、軟口蓋とか、のどちんこあるいは舌の付け根が
   下の方へ下がるためいびきをかきます。
   ふだんいびきをかかない人でもかくことがあります。
 肥満
   いびきのいちばんの原因で、猪首の人、首の太い人が
   特にいびきをかきやすい様です。
   くびのまわりに脂肪が付き外側だけでなく
   内側にも肥大するので気道を狭くするのです。

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■局所要因について
 鼻づまり
    肥厚性鼻炎、鼻茸、鼻中隔(びちゅうかく)彎曲(わんきょく)症、
    お子さんのアデノイド増殖(ぞうしょく)など。
    鼻がつまって口呼吸→軟口蓋などが振動します。
 のどの入り口の形態異常
    口蓋垂(のどちんこ)が大きく長く太い、
    口とノドの境の入り口が狭い、
    舌の付け根の幅が広く、盛り上がっているなどです。


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■いびきの本人への影響
    自分のいびきで起きたりします。
    また、熟睡できない、疲労がたまるなどをうったえます。

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浜村/いびきは、どのようにして起こるのでしょうか。


奥村部長/口蓋垂(のどちんこ)、軟口蓋(のどの奥)、舌根(舌の根元)などが空気の通り道である気道をふさぐと、狭い気道のなかを空気が無理に通ることになります。 このため生じた狭窄音が、いびきとなるわけです。


浜村/なぜ、そのようなことが起こるのでしょうか。


奥村部長/全身的な要因としては深酒、疲労、肥満などがあり、局所的な要因としては鼻詰まり、喉の入り口の形態異常などがあります。 深酒や疲労をすると全身の筋肉の緊張が緩み、口蓋垂や軟口蓋、あるいは舌根が垂れて気道をふさぐようになり、いびきをかくようになります。

 肥満はいぴきの根本原因といってよく、脂肪によって気道を狭めるので、いびきをかきやすくなるのです。 また、鼻が詰まると口呼吸になって、口蓋垂が振動しやすくなります。

 喉の形態異常とは、口蓋垂が太く大きく長く垂れ下がっていたり、舌根が広く盛り上がっていたり、口と喉の入口が狭いなどの状態で、やはり気道が狭まりますので、いびきをかきやすくなります。


浜村/いびきをかくのは、身体によくないことですか。


奥村部長/夜中に自分のいびきで目が覚めたり、熟睡感が得られないことがあります。 しかも家族など周囲の眠りを妨げることが多く、いびきはかかないにこしたことはありません。

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■ひどいいびき
    いびきをかいていて、時に呼吸が止まることがあります。
    10秒以上1分あるいはそれ以上→「睡眠時無呼吸症候群
    自覚症→睡眠不足、昼間に眠くなる、
        疲れがたまる、とかの他に、いらいらする、
        思考力が低下する、怒りっぽくなるなどです。
    
    睡眠中の酸素不足→赤血球が増え(多血症)
    →血液がねばねばになる(粘調度が高くなる)
    →血栓をつくりやすくなる
    →脳梗塞、心筋梗塞の誘因になります。
    あるいは酸素が不足し炭酸ガスが増え
    →不整脈・徐脈→突然死の原因になったりします。

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■治療
 □根本原因になっている肥満の解消
 □鼻づまりの治療 
   肥厚性鼻炎、鼻茸、鼻中隔彎曲症、アデノイド増殖症
   などに対しては鼻甲介切除、鼻茸切除、鼻中隔矯正術、
   アデノイド切除術などの手術をします。
 □のどの入り口の形態異常に対しては
   扁桃摘出術、口蓋垂・軟口蓋などを切り広げる手術があります。
   狭い部分を広げ、軟口蓋・口蓋垂の振動がおきないようにします。
 □どうしてもダメなとき
   「CPAP」を使用してもらいます。
    鼻にマスクを着け、少し圧力のかかった空気を送ります。 
    寝るときは必ず装着してもらいます。                                                 
 □簡単ないびきに対する対処法
  横向きに寝ると、少しの間いびきをかかなくなります。

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浜村/いびきが激しく、呼吸が時々止まるという「睡眠時無呼吸症候群」が最近話題になっていますが。


奥村部長/睡眠時無呼吸症候群では、睡眠中に呼吸が10秒から1分ほど止まる状態が何度も繰り返されます。 これが何日も続くと、睡眠を妨げられ、疲労がたまったり、思考力が低下する原因になります。

 また、睡眠中の酸素不足から赤血球が増え、血液がねばついて血栓をつくりやすくなります。 これが脳の血管を詰まらせると脳梗塞、心臓の血管を詰まらせると心筋梗塞となります。 酸素不足で血中に炭酸ガスが増えると、不整脈を起こして突然死することもあります。

浜村/「たかが、いびき」と放っておくと、怖いこともあるわけですね。 いびきの治療は、どのようにするのでしょうか。


奥村部長/まずは、いびきの根本原因となる肥満の解消です。 局所的な要因でいびきが起こる場合は、その治療をします。 アレルギー性鼻炎による鼻詰まりが原因であれば、薬物療法。

 鼻茸や鼻中隔彎曲症、お子さんに多いアデノイド増殖症、さらに喉の形態異常などがいびきの原因である場合は、手術によって治療します。 睡眠時無呼吸症候群の場合は、睡眠時に鼻から強制的に空気を送り込む機械をつける方法もあります。


浜村/他人と一緒の旅行などで、いびきをかかないようにしたい場合、何か方法はありますか。


奥村部長/横向きに寝ることです。 仰向けで寝るとどうしても口蓋垂や舌根が下がってきますが、横向きだとそうした状態が軽減されます:

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■たかがいびきと思わないで
  大きな病気の原因になったり、病気がひそんでいたりすることがあります。
  家庭の中に肥満気味でいびきをかく人がいらっしゃれば、
  まして途中で息が止まっているような人がいらっしゃれば、要注意です。
  おかしいと思ったら迷わず専門医を受診してください。

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