めまい、難聴、耳鳴りの三つの症状を発作的に繰り返す有名なしかし誤解されている病気のひとつです。 めまいは回転性のことが多いようです。 また難聴は感音難聴(高度感音難聴の項 参照)です。 ぐるぐるまわるめまいを起こせば、すぐためらいもなくメニエール病と診断されて耳鼻咽喉科を受診する患者さまがかなりいます。 この病気はめまいを起こす病気のうちのたかだか数パーセントに過ぎません。 原因は不明ですがストレスなどが引き金と言われています。 病気の本態は「内リンパ水腫」といって耳の奥の内耳の「内リンパ」が増加してそこにあるきこえの神経や頭と身体の回転運動・直線運動を感じ取る感覚細胞に異常な反応をひきおこしめまい・難聴・耳鳴りを生じさせるものです。 治療は保存的には精神安定剤、メイロン注射、抗めまい剤、制吐剤、イソバイドなどの利尿剤を用います。
保存的には安静入院の上ステロイドの点滴注射などをおこないます。 まぶたが閉じられないので眼軟膏や点眼薬を用いてもらいます。 治療を早く開始すれば一二週間でたいていの麻痺は治っていきます。 治療開始が遅かったためなどで麻痺が一二ヶ月しても治らない、あるいはほとんど変化しない場合は「顔面神経減圧術」という手術をおこないます。 これは耳のすぐうしろの骨の管の中を走る顔面神経を周囲の骨の圧迫から解き放つ手術です。 手術して数週間してから効果が徐々に現れてきます。
内リンパ嚢開放術 Endolymphatic sac surgery
「内リンパ」は内耳の「蝸牛」とか「三半規管」とかに入り込んでいる一つの閉じた入れ物、しかも複雑な形をした入れ物(膜迷路)のなかにありその周りの「外リンパ」とは隔てられています。 「メニエール病」ではこの内リンパが増加する病気なので、増えすぎると内リンパの入れ物が膨らんで外リンパのある方へ圧迫していきます。 そのためにきこえが悪くなったりめまいがおこったりするのです。 この内リンパをその閉じた入れ物の一部分である「内リンパ嚢」というところに穴を開けて増えすぎた内リンパを排出してやる手術が「内リンパ嚢開放術」です。