突発性難聴315耳に関する統計学的検討(耳鼻臨床 93:441-447, 2000)より

 ここに記載しますのは、大阪労災病院耳鼻咽喉科にて1992年から1997年の6年間に、突発性難聴の診断のもとに入院加療をおこないました315症例315耳の臨床統計です。 もとの論文は、タイトルに記載してあるとおりですので、ご興味のある方はそちらをご覧ください。

 大阪労災病院耳鼻咽喉科では突発性難聴に対して、原則として入院の上、点滴、星状神経節ブロックSGB高気圧酸素療法OHPなどの治療をおこなっています。 年間平均80名もの新規の突発性難聴の患者さまの来院がありますが、今回の統計は入院加療された方々のみについておこなっています。

 急性低音障害型感音難聴や経過によりメニエール病の疑われた症例は、対象からはずしています。 また治療のうち、点滴はステロイドホルモンの漸減療法あるいはバトロキソビンン製剤デフィブラーゼ)を第一選択とし、いずれの製剤も選択困難な場合にはプロスタグランディンE1製剤を使用しました。 ステロイドホルモンとバトロキソビン製剤の同時併用は高度難聴例に対して施行しています。 またOHPは重篤な合併症などがない限り、全例に施行し、さらにSGBに関してもバトロキソビンン製剤使用時以外には原則として全例に施行しています。

■疫学: 男性166例、女性149例。 年齢は5歳から87歳(平均48.7歳)。 患側は左耳158例、右耳157例。 随伴症状としてのめまい感のうったえは52例(16.5%)、耳鳴は259例(82.2%)。 初診時の聴力型分布と聴力レベル分布は下図に。

 ■聴力改善率: 

初診時聴力型別改善率

解説:低音型と谷型が改善率が良好

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初診時聴力レベル別改善率

解説:難聴が高度なものは改善率は悪い

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年齢別改善率

解説:年齢は若い方が改善率が良好

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発症から治療開始までの日数別改善率

解説:治療は早ければ早いほど改善率が良好

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めまい感の有無による改善率

解説:めまい感をうったえない方が改善率は良好

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SGB施行の有無による改善率

解説:星状神経節ブロックをおこなった方が改善率良好

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点滴治療別改善率

解説:バトロキソビン製剤の方がステロイドホルモンより改善率が良好
 同時併用は高度難聴に対して施行しているので改善率が低い


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